わさ接骨院 成増 の日記
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脳梗塞とめまい
2014.05.26
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肩マッサージ
(循環器病情報サービスhttp://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph30.html#anchor)
めまいを起こす耳鼻科の病気はいろいろありますが、大きく分けて二種類あります。一つは、めまいと同時に耳鳴りが起きて耳が聞こえにくくなるタイプで、突発性難聴やメニエール症候群などが代表的なものです。もう一つは、めまいだけが起こり聴力には異常をきたさないタイプで、良性発作性頭位性めまい、前庭神経炎などが代表例です。 耳の異常によるめまいは、原因がどれであってもほとんど例外なく回転性めまいを生じ、突然始まります。 回転性めまいで病院に行ったら「血圧が190/100mgHgぐらいあります」などと、血圧が異常に高いことを指摘されるはずです。そのため、すぐに降圧剤の服用を勧める医師もいますが、血圧を下げてもめまいはよくなりません。なぜなら、血圧が高いから起きたのではなく、めまいが起きて驚いてしまい、結果的に血圧が上がっているだけだからです。 回転性めまいは、頭部をある方向に向けていると起きますが、別の方向に向けているとまず起きません。また、頭部を急激に動かすとめまいがするのに、ゆっくり動かせば起きにくいのが普通です。このタイプのめまいに慣れている人は、めまいが起こりにくい方向を向いてじっと横たわり、動くときは用心深くゆっくり動くようにしています。そうすれば、めまいをかなり回避することができます。 耳鼻科疾患によるめまいは早ければ1日以内、長くても1~2か月ぐらいで消えてしまう場合がほとんどです。 表2 めまいの原因となる疾患 ● 耳疾患(耳性めまい)
● 視力異常(眼性めまい)
● 頚部筋緊張異常(頚性めまい)
● 過度の血圧下降(降圧)
● うつ状態
● 小脳・脳幹疾患
大脳疾患 脳の病気のためにめまいが突然起こることは、あまり多くはありませんが、起こるとしたら、ほとんど例外なく小脳や脳幹の脳卒中(脳出血か脳梗塞)によるものです。その場合、めまい以外の脳の症状を伴うのが普通で、例えば片側の手足が動きにくい、半身の感覚がおかしい、物が二重に見える、ロレツがまわらない、頭が痛い、意識がもうろうとする・・・などの症状がいくつか現れます。 脳幹、小脳の脳卒中で起こるめまいの60~70%はフラフラ感、30~40%が回転性めまいで、どちらも吐き気や嘔吐を伴う場合がほとんどです。これに脳の症状があれば、脳卒中であることは容易に診断がつきます。あやしいと思ったら脳卒中の専門医のいる病院で受診してください。
めまいだけの脳梗塞は一般に小さくて軽症で、見逃されても大事に至らない場合がほとんどですが、時には、めまいで始まり、後で意識障害や手足のまひを伴う重症の脳卒中の例もありますから要注意です。
最近、私たちの病院に運ばれてきた69歳の女性は、最初は回転性のめまいだけで発症しました。翌日、左耳が聞こえにくくなったので耳鼻科に行くと突発性難聴といわれ、自宅で様子をみていたところ、3日後の朝、意識を失って倒れ、救急車で運ばれました。
入院時は意識障害のほか手足のまひや、さまざまな脳の症状が見られ、CT検査では小脳、脳幹に広範囲にわたり脳梗塞が起きていることがわかりました。 このようなケースもありますから、めまいが突然起きたときは、一度は脳卒中の専門医に診てもらった方が安全です。
どんなめまいが怖くて要注意なのでしょうか。怖いめまいとそうでないめまいを区別するのは、非常に難しいのですが、突然めまいが起きて、同時に「ロレツがまわらない」「手足に力が入りにくい」「ものが二重に見える」「感覚がおかしい」などの症状があれば、脳卒中の可能性が大ですから、すぐに脳卒中の専門医のいる病院へ行ってください。 いま挙げたような症状がなくても「いままでなかったフラフラ感が突然起きた」「めまいだけでなく頭痛や頭重感が続く」「頭がボンヤリする」「吐き気や嘔吐が強い」という場合は、やはり脳卒中専門医に診てもらっておくことが大切です。 図3 突発性めまいの最終診断図4 めまいだけの脳硬塞のMRI(拡散強調画像) 小脳に小さな硬塞巣(白い部分)が見られる。